村田沙耶香『コンビニ人間』(文春文庫、2018年) ― 2024/07/15
だれしも世間一般と違う、「普通」でない面を持っている。
主人公は結婚前の若い女性。彼女の「道徳意識」は世間一般とずれているが、たまたまコンビニエンスストアでアルバイトしたら、コンビニの世界の「普通」をマニュアルを通じて身につけて、生き生きと暮らせるようになった。コンビニで働いていれば世間の圧力から自由になれる。大学卒業したらきちんとした会社に就職しろ、若いうちに結婚して子どもを産め、という無言・有言の圧力を受けずに済むのだ。
このような人もいるのか、と面白く読んだ。
ただマニュアル化されたコンビニ文化は一種の「宗教」のようなもの、というくだりが本書に出てくるが、本当にその通り。健康で、体が丈夫でマニュアル通りにできないと、ニコニコしながら働けない。
コンビニ文化に適応できなかった「バイト君」も出てくるのだが、「縄文時代から男性の役割はこう、女性の役割はこう決まっている」などの彼の発言もどこかで聞いたことがある。いい年した男性が「定職」についていない場合のつらさという点では共感できる。
ラストが圧巻。途中で出てくる「あれ?」と思う場面が実は伏線だったことが分かる。この意味で構成も良くできている。芥川賞を受けるのもむべなるかな。
主人公は結婚前の若い女性。彼女の「道徳意識」は世間一般とずれているが、たまたまコンビニエンスストアでアルバイトしたら、コンビニの世界の「普通」をマニュアルを通じて身につけて、生き生きと暮らせるようになった。コンビニで働いていれば世間の圧力から自由になれる。大学卒業したらきちんとした会社に就職しろ、若いうちに結婚して子どもを産め、という無言・有言の圧力を受けずに済むのだ。
このような人もいるのか、と面白く読んだ。
ただマニュアル化されたコンビニ文化は一種の「宗教」のようなもの、というくだりが本書に出てくるが、本当にその通り。健康で、体が丈夫でマニュアル通りにできないと、ニコニコしながら働けない。
コンビニ文化に適応できなかった「バイト君」も出てくるのだが、「縄文時代から男性の役割はこう、女性の役割はこう決まっている」などの彼の発言もどこかで聞いたことがある。いい年した男性が「定職」についていない場合のつらさという点では共感できる。
ラストが圧巻。途中で出てくる「あれ?」と思う場面が実は伏線だったことが分かる。この意味で構成も良くできている。芥川賞を受けるのもむべなるかな。

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