アフターダーク ― 2011/02/19
村上春樹『アフターダーク』(講談社文庫、2006年)
浅井エリとマリの美人姉妹とその周辺の人たちの一晩の物語。感情を排した無機的な視点や、エリが入り込んでしまう異次元のような空間の表現が、夜の雰囲気と相まって、マリがまきこまれる生臭い現実の展開と対照的だ。
登場人物に共通するのは、何かに追われていること。大学生でモデルをしているエリは、何かをかかえて長い眠りに逃避している。妹のマリは、長い間眠り続ける姉に耐えられなくて、夜の街に一人逃げ出す。売春婦とラブホテルに入ったサラリーマンの「白川」も売春婦をかかえる中国人組織から追われている。そのラブホテルで働く女性「コオロギ」も何かの組織から逃げている。登場人物は誰も、何かから逃げているが、逃げ切れることはない。
誰だって何かに追われて逃げているのではないかと暗示されているように思った。しかし、本書ではラストで、安心できる場所に、安心できる人と一緒にいて心を通わせることで「追跡」から逃れられる可能性を示唆している。人と人とのつながりが、この無機的な都会の中で救いになるのかもしれない。
浅井エリとマリの美人姉妹とその周辺の人たちの一晩の物語。感情を排した無機的な視点や、エリが入り込んでしまう異次元のような空間の表現が、夜の雰囲気と相まって、マリがまきこまれる生臭い現実の展開と対照的だ。
登場人物に共通するのは、何かに追われていること。大学生でモデルをしているエリは、何かをかかえて長い眠りに逃避している。妹のマリは、長い間眠り続ける姉に耐えられなくて、夜の街に一人逃げ出す。売春婦とラブホテルに入ったサラリーマンの「白川」も売春婦をかかえる中国人組織から追われている。そのラブホテルで働く女性「コオロギ」も何かの組織から逃げている。登場人物は誰も、何かから逃げているが、逃げ切れることはない。
誰だって何かに追われて逃げているのではないかと暗示されているように思った。しかし、本書ではラストで、安心できる場所に、安心できる人と一緒にいて心を通わせることで「追跡」から逃れられる可能性を示唆している。人と人とのつながりが、この無機的な都会の中で救いになるのかもしれない。
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