『にっぽん町工場遺産』2009/06/12

『にっぽん町工場遺産』
小林泰彦『にっぽん町工場遺産』(日経プレミアシリーズ、2009年)

大学2回生のときに、たまたま京都市内のかまぼこ屋でアルバイトする縁にめぐまれた。かまぼこの販売ではなく製造のアルバイトである。お店の名前は忘れてしまったが、場所は二条寺町あたりだったと思う。京都の昔ながらの町屋でかまぼこを作っている。たまたまそこのおばちゃんが京都ではめずらしくも東京の出身だったためで話があい、一度だけでなく何度かアルバイトに行った。

さて、本書では日本各地の町工場を絵入りで紹介している。京都と沖縄の工場(特に食品工場)が比較的多くとりあげられている。京都では湯葉の「湯葉半」や大徳寺納豆の「一久」が載っているが、湯葉も大徳寺納豆もかつて京都に7年もいたのに全くと言ってよいほど食べなかったなあと思った。一度また京都に遊びにでてこれらの老舗の味を堪能してみたい。

印象的だったのは、痛くない注射針をつくっている「岡野工業」の「代表社員」の岡野雅行氏のことば。東京の下町の言葉だが、「若い時に思いきり遊(あす)んでないと独創的な仕事はできない」「ほかでできないことをやっていれば、こわいものはない」