ランゲルハンス島の午後 ― 2010/02/24
村上春樹著、安西水丸絵『ランゲルハンス島の午後』(新潮文庫、1990年)
村上春樹のエッセー集。村上春樹はどうもモラトリアム青年ばかり書くと思っていたら、本書の「BUSY OFFICE」で会社勤めをしたことがないから描けないと述べている。「会社勤めをしたことがないせいで、僕の認識の領域からは会社とかそれに付随する様々な周辺的事物が完全に欠落している」(74ページ)というのである。知らないものは書けないというのはあるだろう。私の中で村上春樹を読むたびにひっかかっていた謎が一つ解けて、納得できた。
それから印象的だったのを一つ。著者がよく泊まる都内のホテルからは、女子高校の正門がすぐ下に見下ろせるという。ホテルで朝食を食べて一服するとちょうどこの女子高の登校時刻になるのだとか。ずっと見ているとベルが鳴って校門が閉じる。意地悪そうな先生が門のわきに立って遅刻した生徒たちの名前を控えて、生徒たちを注意する。ところが、遅刻する生徒の中には、先生の注意がそれたときを逃さずに、隣家の塀にとびつき、それをつたって学校の塀の中に入り込んでしまうという技をみせる生徒もいる。塀の中にとびおりた後、スカートの裾をぱっぱっと払って何食わぬ顔で教室に入るというのだから大物である。著者はこのような女子生徒を見るとこれだけで愉快で1日楽しい気分でいられる(27ページ)ということだが、こんな生徒は今でもいるのだろうか。一度みてみたい気もする。
村上春樹のエッセー集。村上春樹はどうもモラトリアム青年ばかり書くと思っていたら、本書の「BUSY OFFICE」で会社勤めをしたことがないから描けないと述べている。「会社勤めをしたことがないせいで、僕の認識の領域からは会社とかそれに付随する様々な周辺的事物が完全に欠落している」(74ページ)というのである。知らないものは書けないというのはあるだろう。私の中で村上春樹を読むたびにひっかかっていた謎が一つ解けて、納得できた。
それから印象的だったのを一つ。著者がよく泊まる都内のホテルからは、女子高校の正門がすぐ下に見下ろせるという。ホテルで朝食を食べて一服するとちょうどこの女子高の登校時刻になるのだとか。ずっと見ているとベルが鳴って校門が閉じる。意地悪そうな先生が門のわきに立って遅刻した生徒たちの名前を控えて、生徒たちを注意する。ところが、遅刻する生徒の中には、先生の注意がそれたときを逃さずに、隣家の塀にとびつき、それをつたって学校の塀の中に入り込んでしまうという技をみせる生徒もいる。塀の中にとびおりた後、スカートの裾をぱっぱっと払って何食わぬ顔で教室に入るというのだから大物である。著者はこのような女子生徒を見るとこれだけで愉快で1日楽しい気分でいられる(27ページ)ということだが、こんな生徒は今でもいるのだろうか。一度みてみたい気もする。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://rebecca.asablo.jp/blog/2010/02/24/4905953/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。